重力ピエロ。

重力ピエロ (新潮文庫)

半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた春の危うさは、やがて交錯し…。

 「本屋大賞受賞!」ってポップを見て何ともなく買ったんだけど、この小説は第1回本屋大賞でノミネートされたものの、大賞受賞は逃している。本屋大賞を受賞したのは『ゴールデンスランバー』だった。とはいえ、本作も直木賞候補作だったり、このミステリーがすごい!第3位だったり、来年には映画が公開されたりするらしい。

 読んだ感想としては、全体的に軽やか。会話の雰囲気とか、事件の展開も、レイプとか異父兄弟とか親父の癌とかシリアスなエッセンスがあってもあまり深刻な雰囲気にもならないし、落とし方も小気味良い感じ。東野圭吾みたいに読んでる途中でストレスが溜まらなくてサクサク読める。そんな感じで広島へ帰るまで飽きることなく一気に読め終えました。