金原千恵子が好きなのに駄目なのは。

 僕は邦楽のストリングスアレンジが好きで、音楽番組でも歌ってる人よりバックで弾いてる人たちをずっと映しててほしいとか思ってる。だけどそういうバックストリングスで知ってる人といえば斎藤ネコくらいしかいなかった。

 で、この前冨田キリンジのこと調べてて、金原千恵子という人に辿り着く。彼らのバックは大体金原千恵子ストリングスだった。この人ほんとに色んな人のバックで弾いていて、ほんとに素敵な人なのだ。更に個人名義でCDも出してるのだ。これは買いたいと思って試聴してみたが、どうもしっくり来ない。曲がコテコテのJ-CLUBすぎてつまんないというのもあるんだけど、理由はそれだけじゃないことに気づいた。

 おわかりだろうか、格好良いんだけど、目立ち過ぎなのだ。なんかこうバイオリン根性丸出しというか。そうか、それだ。個人名義になった途端、前に前に出てる感じが駄目なのだ。もしかして僕がコンチェルトを好んで聴こうとしないのも、葉加瀬太郎や寺井尚子が駄目だったのも、同じ理由なんじゃないだろうか。僕はアンサンブルやハーモニーを楽しみたいのであって、そんなソロで目立つようなことしなくていいんだよと、そういうことなのだ。

 ただこれは僕みたいなコンプレックス持ちのヴィオラ弾き特有の僻みかもしれない。小心者で目立てないヴィオラは、目立つし自信満々で弾いてるバイオリンがムカつくのだ。あんたが上手いのはよく分かったからもうちょっと周りを立てろよ、と自分が上手くなればいいことは棚に上げて、図々しい要求をするのである。うん、これもあるな。

 悔しいけど嫌いになれないので金原ちきしょーとか思いながらもうちょっと我慢してアルバムを聞き込んでみる次第。