瑕疵担保履行法の対象とする「住宅」って何なのさ。

住宅瑕疵保険の手続き関係を整理しているのですが、マジメに遵法性を担保しようとすればするほど深みにはまってしまい、ため息が漏れます。
そもそも住宅瑕疵保険へなぜ加入するのかというと、品確法に基づき建築業者は主要構造体の瑕疵について10年の瑕疵担保責任を負うことになり、ていうか10年の間に倒産しちゃったらどうするのということで、倒産しても瑕疵担保責任を履行できるように、瑕疵担保履行法で住宅を新築する時には供託金を預けるか、住宅瑕疵保険への加入が義務付けられたからです。
で、今日一番のクセモノだったのが、いったい何を「住宅」と定義しているのかということ。どうやら、供託or保険加入義務の対象である「住宅」というのは、「事業用ではない生活の拠点となる住宅」を指しているらしく、保険会社に具体的な建物の用途をあげて確認してみたところ、こんな回答をもらいました。

供託・保険加入義務対象の「住宅」義務対象外の「住宅」
戸建住宅、併用住宅、賃貸・分譲マンション、投資用マンション、独身寮、社宅、サービス付高齢者専用賃貸住宅(サ高住)、グループホーム、ケアハウス、有料老人ホーム(サ高住の登録受けた場合)別荘・セカンドハウス、マンスリーマンション、旅館・ホテル、滞在型ゲストハウス、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム

特に衝撃的だったのは別荘とマンスリーマンションが義務対象外であることです。これから建てる戸建住宅や賃貸マンションが、別荘やマンスリーマンションであることは何をエビデンスにして判断するのか、建築業者が勝手に判断していいのかと聞いたところ、そうだ、と言われました。
義務対象外ということは、別荘やマンスリーマンションは主要構造部の10年瑕疵担保責任も無く、民法上の瑕疵担保責任でいいということなのでしょう。このことがどういった時に問題になるかというと、(1)契約当初、施主は別荘として使う予定ということで、建築業者は瑕疵保険に加入せずに請負契約を結び建物を建て、引き渡しました。(2)建築後8年目ぐらいに主要構造部の瑕疵による損害が発生、施主は品確法に基づいて瑕疵担保責任を負えと言ってきました。(3)建築会社は、品確法対象外の住宅だし、瑕疵発見して1年以上何も言ってこなかったから民法上の瑕疵担保責任も時効だし、仮に直そうにも保険にも入ってなかったから工事費全額持ち出すと会社潰れちゃうし、ということでとりあってくれません。(4)施主は裁判に打って出て、ていうか別荘じゃなかったし、生活の拠点にしてたし!と言い張ります。実際新築後に気に入って本拠にしていたらしく、施主と建築業者の契約書面に別荘なんて言葉は出てこないし…裁判所は、これは生活の本拠としてるんだから品確法の対象住宅でしょ、という判断を下し、建築会社は倒産… … … みたいなことに最悪なるんじゃないかと思うのです。
長くなりましたが、じゃあどうすればいいかというと、請負工事契約書の特約に「本住宅は甲が別荘の用に供するための住宅であり、品確法対象外の住宅であることを甲乙確認する」と書くとか、それが書きにくいんだったら、安易に「F邸新築工事」みたいな工事名にせず、「F邸(別荘)新築工事」ってさらっと建物用途を記載しておいて、万が一に備えておくのがいいんじゃないかと思いました。