住宅設計課題の話①―画家を父親に持つ家族

早稲田の1年最後の課題は都市型住宅の設計。大久保に設定された敷地に、どちらかが画家の40代夫婦と中高生の兄弟が暮らすアトリエ付き住宅を設計しろ、というのが大雑把な課題条件。

いくつか家族設定を考えて先生に話していたら、それなら家族をもっと突き詰めていった方がいいと言われて、マジメに家族設定を考えてみた。

親が画家という条件を聞いて、まずリンちゃんを思い出した。彼はよく、絵にも興味無くはないって言ってた。そう、子供はなんだかんだで親に似てくるもんなのだ。そんな風に、家族設定のルールを決めた。
<家族設定のルール>
・子供は何らかの親譲りな性格を持つ。
・兄と弟は割と反対の性格を持つ。

それから、家族設定を決めていくためのポイントを整理した。
<家族設計を決めるためのポイント>
・親父はどんな絵を描くんだろう。
・画家を旦那に持つ妻ってどんな性格だろう。
・そんな夫婦から生まれた兄弟はどんな性格だろう。
・なんで大久保なんかに家を建てることにしたんだろう。
・なんで子供が中高生なんて時期に家を建てることにしたんだろう。

こうして架空の家族は以下のように具現化された。
<父…大胆な画家>
子供の頃から大久保に住んでいて、自分では普通だと思っていた大久保独特の空気をテーマにして絵を描いている。元々サラリーマンで絵は趣味だったが、うっかり賞を取ってしまったため、早期退職した退職金を元手にしてアトリエのある家を建てることにした。大久保の土地は親から譲って貰った。そんな感じで描く絵も性格も奔放で大胆である。

<母…保守的な主婦>
旦那が自由な性格をしているせいか、しっかりものというよりはやや神経質。息子のヒキコモリに悩んでいるが、追い討ちをかけるような旦那の画家宣言にはちょっと参ってしまった。しかしこれを機に息子のヒキコモリを解消出来ないかと、家を建てることには反対しなかった。

<兄…我が道を行く受験生>
父譲りの行動派で、母譲りの保守的な性格の兄は社会的に安定した職業につきたい受験生。けれども別に自由な画家の父を否定しているわけではない。みんな自分の人生なんだから好きなようにすればいいし、自分も好きなようにするしって考えている。

<弟…ヒキコモリの2ちゃん絵師>
父からは絵のセンスを譲り受け、母からは神経質な性格を頂いた弟。学校へ行くより絵を描いてる方が楽しいし、兄と違って内向的な性格のため、いつしか引き込もるようになった。しかしその才能はそれなりにホンモノで、2ちゃんねるで絵師として大活躍。

そんな感じで、さっさと自立してしまうであろう兄はさておき、この家の主人公となる3人のギスギスした関係を、どうにかこうにかしていこうとすることにしたのであった。

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