住宅設計課題の話②―ドリフ住宅

実家の子供部屋は薄い襖で仕切られていて、ベランダからおかんが覗きに来る、プライバシーのあるようなないような部屋だった。課題の兄弟の部屋も、仕切られてるけど仕切られてないみたいな一続きの2部屋にしたい。ウチはマンションだったから平面的に仕切るしかなかったけど、立面で仕切ってみたらどうだろう。

<イメージ断面図>
□■ ←弟の部屋
_■__←兄の部屋
□が吹き抜けで、階差によって仕切られてるけど一続きの部屋なのだ。

内向的な弟が2階の方がいいな、見る見られるの関係的に。でも実際こんな部屋に住むことになったら、僕ならどうするだろう。吹き抜けのトコにカーテンとかつけちゃいそうだ。それじゃ意味無いなー。そんなことを思いながら早稲田に行って先生に話したら、同じようなことを指摘された。
「俺だったら、例えば家族共用の長いリビングをとって、そこからつながる個々の部屋は壁が動かせたりして陣取りゲームみたいに取り合って、主張しないと狭い部屋に引きこもるハメになるみたいな方が、うーんまだヒキコモリ対策にはこっちの方が説得力があると思うなあ。」
なるほど。それだ。対ヒキコモリ住宅ってテーマで考えてた頃に、引き篭ったら壁が外れて床が抜けるドリフみたいな家ってどうだなんて冗談めいたことを考えていたが、冗談が意外と冗談じゃないプランになりそうだ。何より、『ドリフ住宅』という響きが良い。

飽くまでこの家の、家族の中心となるリビングが最も快適になるようにと思いつつ、設計条件にあるアトリエは最低限の空間だけを確保して、あとは家族会議で領有権を主張してもらうことにした。領有権を主張するスペースは『ドリフエリア』と名付け、2層のエリアは部分的に床を抜くこともできることにしよう。年末の朝8時に家族が全員集合して、ドリフのあの音楽をかけながら1日がかりで壁や床を動かす…楽しい、楽しすぎる。少なくとも弟以外はこの家がもたらす新たな家族のルールに賛成だろう。弟は反対しても自分の部屋が狭くなるばかりなので、主張せざるを得ない。壁や床が動いて部屋の間取りが変わったことが外からも見えるといいな。

冗談みたいなドリフ住宅は着々と妄想が膨らんで楽しくなってきた。でもこのドリフエリアに自由度を求めると、ドリフ住宅がどんどん四角いハコになってくる。それはちょっとつまんない気もするなあ。でも普通の住宅街だし、キバツなカタチである必要は全然無いんだよなあ、でも課題だからキバツなことした方がいいのかなあ、そんなことを思いながら、とりあえずドリフ住宅のエスキス模型を作ってみることにしました。

参考:ドリフのあの音楽:オリジナルが見つからなかったのでネットで話題のアシモのあの動画の奴。