技術、時間、システム、事務屋。

 僕の部署では経営会議に使う大事な資料を作っているのだけど、これを作成している先輩方は、どうやら月の後半は殆どこれの作成に終始し、それでも終わらないから余裕で残業するようなことになっているみたいだ。あっちのファイルからこの数字を引っ張ってきて、こっちのファイルの数字とそっちのファイルの数字の合計を入力して・・・と、かなりエクセルのレベルは高い先輩たちなのに翻弄されている。

 僕は僕で、気まぐれに誰かが見る程度の他社決算分析資料を作っているけれど、これはこれであちこちのファイルに同じ数字を入力するようになっていてアホらしい。1ヶ所に決算資料のデータを入力すればあちこち更新されるようにしたいのだけれど、まだ僕にはそれだけの技術が無い。必要に駆られてまたいくつか新しい関数も覚えたけれど、それでも足りないのでとうとうマクロ本を購入した。こうすればいいのにと思っても実現できなきゃ意味がない。だけど技術が無いと実現できない。

 さて、先輩たちは技術があるのにそれでも仕事が捗らない。まだ異動してきたばかりで段取りが掴めてないのが大きな原因になっているのだろう。技術があっても時間が無い。足りない時間の中で、どうにもややこしいところは技術で固めて来月からの手間を省くようにしているみたいだ。

 それでも、せっかく技術で固めたところで担当者が変わったり仕様が変わったりしたらまた最初からやり直しだ。せっかく関数を組みまくったセルも、何も知らない人が値を貼り付けてしまったらもうおしまいだ。技術が誰にでも扱えるシステムにまで昇華されていない。他社決算の資料も毎年仕様が違っていて経年変化の分析がまるで出来ない。できるだけこれまでのデータに互換性を持たせて、これから入力されるデータとも比較ができるように、丁寧な引継ぎを作る必要がある。

 そんなことを考えていて、ふと原点に立ち戻る。僕の仕事は長期的な他社決算分析システムを作ることではない。あくまで他社決算を分析することが与えられた仕事だ。整然と入力された数字を見て悦に浸っていないで、その数字が持つ意味を考えなければいけない。システム作りに取憑かれてしまった人を上司は事務屋と呼び、事務屋になってはいけないと言う。僕たちの目的は事務屋のその先にあるのだ。

 ああ、まとまらないまま書いてみたけどなんだかこれいい話になってきたな。もうちょっとすっきりさせて、来週初めてやってくる、朝礼スピーチのネタにしよう。