大学院での怒られた思い出。

■あなたは人にものを伝えようという気がないのか。
たしか調査手法を検討していた時のこと。色々と既往を調べてこれでいける!と思った手法について、この手法で調査する場合の対象者の集め方や人数、期間、アンケートのサンプルなどをまとめて持っていった。当時としてはかなりの自信作だったのが、そのペーパーを見た先生からは溜め息混じりに見出しのようなことを言われたのだった。

僕のまとめたペーパーからは、検討のプロセスがまるで読み取れなかった。いきなり調査内容をぽんと見せられても、いくら先生だって判断のしようがない。どの既往から手法を引っ張ってきて、手法ごとにどんな長所短所があるのか、それは今回の研究に対してどのように影響するのか。こうしたプロセスが見えていれば、先生も調査内容を吟味することが出来ただろう。

これは、研究において特に大事な再現性に関わる問題であった。科学を名乗る研究に携わる以上、文系だろうと常に再現性は保証しなければならない。つまり自分以外の誰かが同じテーマの研究をするときに、自分の論文を読んだだけで調査も分析もできるように、論文は書かなきゃいけないのだ。

この時以降、自分は調査や分析での判断基準を詳細にメモするようになったのだけれど、これは最後に修論をまとめる上で大いに役立った。

■出来もしないスケジュールを立てるな。
専門学校の卒業前で、研究が滞っていた時のこと。大学院サイドでも外部での発表が目前に控えていた。専門と発表の準備をしながら遅れている研究をどう立て直すんだと言われ、スケジュールを組んで持っていったら、こんなに本当に出来るの?と呆れられた。で、頑張ってやりますと返したら、本当に全部がいまこの忙しい時にやらなきゃいけないことなのかもう一度冷静に考えなさいと諭された。

そもそも「頑張る」なんてよっぽどの時でもなかなか出来ないし、ただでさえマイナス評価受けてる時にバクチみたいな大風呂敷広げて余計に信頼を落とすようなことはすべきではない。信頼を積み重ねていくためには、出来ることを着実にこなしていくことが最も堅実であり、一番の近道だ。

他にも色々あったけどこの2つはしょっちゅう怒られてきたことで、その甲斐あってだいぶ改善されたと思う。さじを投げないで怒り続けてくれた先生に感謝したい。