中古マンション売買における瑕疵担保責任に対する安心の価値

宅建業者が中古マンションを購入して、リフォーム(リノベーション)した上で再販する場合、一旦保有することにより税金や金利負担等が上乗せされるので割高なようにみえます。しかし、業者が売主になると宅建業法上の瑕疵担保責任を業者が負うことになるため、万一の時に対する安心感はあります。最近では住宅瑕疵担保履行法の施行にともなって、瑕疵担保責任に対する保険制度も始まりました。そこで、業者が売主であることの安心感を保険で補填しようとする場合、どれぐらい費用がかかって、保険対象範囲は同等なのか、調べてみました。

中古マンションにおけるリフォーム瑕疵保険について

リフォーム瑕疵保険のポイント

リフォーム瑕疵保険は、リフォーム工事に瑕疵があって補修等を行う場合、「リフォーム業者に」相当分の保険金が支払われる保険です。とはいうものの、リフォーム業者は会社規模が小さく倒産リスクも小さくないです。そこで、万一リフォーム業者が倒産していたら、保険金は工事の発注者に支払われて消費者の安心が確保されるという仕組みです。

リフォーム瑕疵保険の加入者はリフォーム業者なわけですが、発注者から業者に対して保険加入を要求するケースが多いと思います。すごく穿った言い方をすれば、瑕疵が見つかるかもしれない、経営体力がなさそうと心配だから業者に保険加入を要求するわけです。従って、業者からは保険料は発注者で負担してほしいと言われることになるのではないでしょうか。それではその場合の保険料はいくらぐらいなのかというと、上記のとおり500万円のリフォーム工事でだいたい5万円くらいです。保険に加入すると保険会社もリフォーム工事を検査してくれるので、工事品質も万一のときも、二重に安心といえます。

中古マンションにおける既存住宅瑕疵保険について

中古マンションにおける既存住宅瑕疵保険について

既存住宅瑕疵保険は、購入した物件の主要構造部や躯体防水に瑕疵があった場合、「宅建業者に」修繕費等相当分の保険金が支払われる保険です。業者が倒産した場合は買主に保険が支払われるなど、基本的な仕組みはリフォーム瑕疵保険と同じです。ところが、中古マンションの既存住宅瑕疵保険は検査料がべらぼうにかかります。マンション一棟を検査するため、規模が大きくなるほど検査料も増えていきます。パンフレットに料金が明記されている保険商品でシミュレーションしてみると、だいたい60〜70万くらいかかりそうということがわかりました。

これを買主が全額負担するのはちょっとしんどいかなと思いますが、逆さに考えれば業者が売主であるという安心感は、少なく見積もっても60〜70万くらい割高でもその価値があるといえるのではないでしょうか。

法定瑕疵担保責任と保険対象範囲のちがい

売買形態による瑕疵担保責任範囲の比較

各種保険の対象となる瑕疵の範囲と期間を整理してみると、保険による保証はあくまで最低限のものであるということがわかります。ついでに載せてみましたが、宅建業者が売主の場合でも、リフォーム前のものを購入してリフォームは別の業者に頼む場合と、既にリフォームされたものを購入する場合では、リフォーム部分に対する瑕疵担保責任期間が異なるんですね。

 

これらのことから、リフォーム済の中古マンションを経営体力のある宅建業者が売るという「安心」は、少なくとも75万くらいかかる瑕疵保険以上に価値があるということがいえるだろうということがわかりました。これをうまいこと営業資料として使えば、お客さんが物件を割高に感じる価格についても、多少は納得感が出てくるのではないかなと思います。