1月1日以降に完成する建物の固定資産税対策

固定資産税は1月1日時点での土地や建物の所有者に対して課税される税金だ。建築中の建物については、1月1日時点で「建物が完成して、使用可能な状態にあるか」で課税されるかが判断される。この曖昧な定義がくせ者で、一般的には登記の新築日が1月1日以降かどうかで判断されるが、例えばまだ外構の工事が残っているけど建物は完成しているというような時は、登記をしていなくても建物に課税されることがある。市税事務所の固定資産税担当者が担当エリアを巡回して、目視で建物の完成・使用可能状態を判断するからだ。
さて、今回建築中の建物は年内完成の予定だったが、年明けまで工事が長引くことになった。ところが、この建物は年内完成見込ということで、市税担当者から施主へ、建物の完成時期について質問の電話がかかってきた。施主は年明けになりそうだと回答したものの、残る工事は建物内の設備工事ばかりで、担当者が外から建物を見るだけでは一見完成しているように見える。建物に課税されてしまうかもしれない。施主からは建物に課税されないよう工事を遅らせてほしいと頼まれるも、現場の工程もあるので大きな変更は難しい。そこで、3つの対策をとった。

  1. 登記の新築日を1月1日以降で登記をする。
  2. 建物の完了検査を1月1日以降に行う。
  3. 年が明けてから市税担当者に建物内部を見に来てもらう。

1は当然として、2は登記以外で建物が完成したかどうかを判断する、日付の残る公的書類としては検査済証がある。完了検査前に建物を使用開始することは建築基準法が認めていないので、完了検査が1月1日以降であれば、それ以前は使用不可能であったことは法的にも明らかだ。それでも、建物は完成しているのに、意図的に完了検査を遅らせたとみなされることが、ないとも言い切れないので、念には念を入れて3だ。最終的には市税担当者に現況を説明して、年明けに現地を見に来てもらうことにした。そこで工事中の現況を写真に残してもらって、口頭ベースで現況未完成ということを確認した。
 
実は以前、逆のパターンを経験したことがあった。建物を解体中だが年内に完了しない、どこまで解体しておけば建物は使用不可能と判断されるのか?という相談を市税担当者にしたことがある。その際、壁の一部を壊した状態を年末に市税担当者に見に来てもらい、現況使用不可能ということを確認したのだった。最終的に担当者の目視判断になるのであれば、現場を公開して内部まで確認してもらうのが、一番確実というわけだ。
 
首都圏のような土地の固定資産税評価額が高い地域では、住宅が完成していれば土地には住宅用地の特例が適用されて土地の課税額が大幅に下がるので、建物の税金がかかっても年内に完成していた方がトータルで税負担が減る場合がある。一方、地方では土地の固定資産税評価が低いので、住宅用地の特例による評価減効果は少ないので、税金のためになんとか年内に完成させたいということは少ないのではないかと思う。