(アイキャッチもひろしまアニメーションシーズン2024のWEBサイトより引用)
8月14日から8月18日までの5日間にアステールプラザと横川シネマで行われる「ひろしまアニメーションシーズン2024」。国際的な権威はあるけど市民からの認知度がいまひとつの国際アニメ映画祭に、今回から日本依頼作品部門という部門が創設された。
クライアントの依頼によって作成された映像作品、つまり商業的なアニメ作品ということで、これが結構面白い。面白いんだけど、入選した作品の紹介が全然されてないので全く魅力が伝わっていない。
そこで私が1つ1つネットで調べて入選作品が見たくなるような解説をしてみます。尚、世界的に有名な人もたくさんいそうなんだけど、その辺は全然わかってないので界隈に詳しい方は、この人知らないなりに頑張って調べたんだなという感じで生暖かく見守っていただければ。
日本依頼作品部門はこうやって見れます
これから紹介する作品は下記の時間に一気に観ることができます。
- 8月16日(金)9:30~11:00 横川シネマ
- 8月17日(土)12:00~14:00 アステールプラザ大ホール
チケットは各種プレイガイドで購入することができます。1プログラム券(大人:前売1000円・当日1200円)でこの部門の作品は見れますが、どうせなら1日券(大人:前売2000円・当日3000円)を買って同じ日に上映される人気の日本長編アニメや海外アニメを一緒に見るのがおすすめです。
尚、小学生以下は無料なので、夏休みこどもアニメ祭みたいな感覚で子供達で連れだってアステールプラザでアニメ映画を見させて、飽きたらファミリープールにでも行かせておけば、大人がお盆休みをゆっくり過ごすことができるのではないかと思ったりしています。
日本依頼作品部門入選作品について
調べたら調べただけ面白くて、個人的にはますます観てみたくなった。YouTubeで作品そのものが観れるものもあるんだけど、敢えて直リンクは止めて、関連情報だけに留めます。(以下、画像はすべてアニメーションシーズンのページより引用)
おかあさんといっしょ「やくめをおえてこのたび自由になりました団」
(うえ田みお、2023年、日本、7分54秒)
Eテレ0655/Eテレ2355「たつこたつ」
(うえ田みお / 貝塚智子、2024年、日本、2分23秒)
制作しているうえ田みお、貝塚智子は共にユーフラテスのメンバー。ユーフラテスというのはNHKのEテレでピタゴラスイッチとか0655とかを制作しているグループ。
自由になりました団はトイレットペーパーの芯やかまぼこ板など「役目を終えたものたち」によるストップモーションアニメ。たつこたつは毎年番組で作られている「干支ソング」として制作された。作詞:貝塚智子・うえ田みお、作曲:堀江由朗、うた:柴田聡子。
NHKみんなのうた「惑星」
(うた:Sexy Zone)(影山紗和子、2022年、日本、2分25秒)
みんなのうた、ベテランから最近の人まで超有名アーティストの歌が多くて、歌の題材も広瀬香美がラーメンの歌とか、所ジョージがたこ焼きの歌とか、そこにアニメーションをのっけていて、歌手とテーマと映像作家とどう組み合わさってこうなるんだろうと、いつも不思議に思っている。アニメーションを大事にしてる番組であることは間違いなく、その歴史を掘り下げるこんな記事もあった。
映像の影山紗和子、目のおっきいクセつよカワイイキャラクターの世界観。
DUSTCELL「INSIDE」
(山田遼志、2022年、日本、3分06秒)
ボカロ系出身のユニットDUSTCELLのMV。曲調がダイナミックに変化するこの曲はホラー映画「N号棟」の主題歌にもなった。
山田遼志によるMVは「現代社会の抱える不安や恐怖などをモチーフとし、狂気的で風刺的な作風が持ち味」と評されるとおりの内容だった。
WI-COCOON – ART TREAT SPA
(鋤柄真希子 / 松村康平、2022年、日本、5分28秒)
POLAと竹中工務店による没入型アート体験プロジェクト「WI-COCOON」で使用された映像作品。繭型の温かなコクーンの中で映像と共にゆっくり時間を過ごすと、乾燥肌の肌状態が大きく改善するらしいが、今回は映像だけなのでその効果は無い模様。
鋤柄真希子と松村康平は、二人でタッグを組んで映像作品を作ることが多いみたい。背景と人物を分けたセル画を何段ものガラス台に乗っけて、物理的なレイヤー構造を作って撮影していくことを「マルチプレーン」というらしいのだが、そのやり方でアニメを制作し、様々な芸術祭などで受賞歴がある。
プチプチ・アニメ「春告げ魚と風来坊」
(八代健志、2023年、日本、5分00秒)
プチプチ・アニメはNHK Eテレの5分間のコマ撮りアニメ番組。八代健志は人形アニメーターで太陽企画というCM・映像制作会社内のTECARAT(テカラ)という社内ユニットを主宰する。朝ドラ「ブギウギ」のオープニングで使われていた人形も八代の作品だ。
星宮とと+TEMPLIME「Mind Replacer」
(大谷たらふ、2024年、日本、1分52秒)
星宮ととはデジタルアーティスト。「歌唱/企画/ディレクション/イラスト/デザイン/映像など一通りできるが一つに絞って活動はしていない」という、多才な人。TEMPLIMEはDJ tempura とProducer KBSNKによる音楽ユニット。楽曲は初期Capsuleの時代を思い出すようなデジタル・ガーリー・ポップ。
アニメーションの大谷たらふ(たろうと読む)。この曲以外にも様々な曲にアニメーション提供しているようなんだけど、その中の一つにいきものがかりのコラボレーションアルバムのMVがあった。TOMOO好きの私としてはぐっと親近感。
鬼太郎EXPO「SPECTER FROM THE ABYSSAL ZONE!」
(水江未来、2023年、日本、2分15秒)
水木しげる生誕100周年記念の「鬼太郎EXPO」で公開された映像作品。水江未来は世界4大アニメーション映画祭にノミネート経験があり、数々の受賞歴があってWikipediaもすごい長さだ。「『細胞アニメーション』と呼ばれる抽象・ノンナラティブ作品を多数制作している」とのことだが、ノンナラティブというのは物語がない、お話に沿ってアニメーションを作ってるわけではない、ということらしい。
Pass49e「白い悪魔」
(円戸サヤ、2023年、日本、3分41秒)
49文字で編まれた物語を原作に、新進気鋭のアニメーション作家が作り出した、奇妙な短編アニメーション。というプロジェクト「pass49e」の一作品。
ソニーミュージックエンターテインメントが運営するmonogatary.comというお題をもとに物語を投稿するサイトがあり、SMEはここから色んな展開が狙える作品を発掘しているようなのだが、この49文字の物語という一連の作品がアニメーション作家によって映像化された。このpass49eプロジェクトは国内外のアニメーションフェスティバルで入選・受賞している。
白い悪魔の49文字の物語はこちら。
「キャァ!!」
彼女の叫び声の
理由が小さな虫
で呆れた彼はそ
の後、無視でき
ない彼女の姿を
発見することに
アニメーションの円戸サヤに関してはインターネットで手に入る情報は一切なし。そんな人いるんだ…
Pass49e「Music Video」
(冠木佐和子、2023年、日本、1分07秒)
同じプロジェクトだけど、こちらは49文字の物語を原作にした作品ではなく、プロジェクト全体のMV。曲は母親文化村というラッパーユニット。
冠木(かぶき)佐和子は国内外の映画祭でたくさんの受賞歴があるアニメーション作家。その一方で変態と呼び声も高く、「クライアントワークをこなす傍ら人間の営みの全てを愛情とユーモアと共にカラフルに表現し続ける、唯一無二のオリジネイター」だそうだ。
ここまで10作品を調べてまだ半分…。面白いんだけどかなり疲れたので一旦ここで公開します。後半9作品は、気が向いたら、調べる時間があったらまたやります…。
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