ユーロビジョン2025で印象に残った曲

音楽

今年もユーロビジョンの季節がやってきた。今年は例年に増してコミカルな曲が多かった印象。現実の世界が厳しい課題ばかりなので、音楽くらいおバカに楽しみたいということなのだろうか。全然笑えないよ。コミカルな曲以外にもなんか自分好みな曲が多かったので、今年も豊作でした。1年が経つのはあっという間だ。

エストニア代表 Tommy Cash -Espresso Macchiato

なんと今年は飲み物がタイトルのおバカソングが2曲もエントリー。エストニア代表Tommy CashのEspresso Macchiato。この曲の作詞家ナウカリネンという人はユーロビジョン2023のフィンランド代表ヒットソング、カーリヤのCha Cha Chaの作詞家でもあるという。すごいヒットメーカー。カーリヤ、2023も優勝ではなく3位だったのに、2年経った今年もGrand Finalでパフォーマンスしていて、本当に長く愛されている。

オーストラリア代表 Go-Jo Milkshake Man

もう一人の飲み物ソング、オーストラリア代表 Go-JoのMilkshake Man。レトロフューチャー?でハッピーな曲なので、すごい好きなのだが、エスプレッソは決勝3位だったのにこちらは準決勝11位。惜しかった。でも好きだよ、ミルクシェイクってこれ下ネタじゃないのと思ったら下ネタもかかってるらしい。下ネタだけに。

スウェーデン代表 KAJ – Bara Bada Bastsu

スウェーデン代表のKAJのBara Bada Bastuはアコーディオンのイントロで、お、来た来た民族系と思って耳を傾けていたら「サウナー」という歌詞が聞こえて、なるほどこの舞台装置はサウナなのかと!サウナソングなのかと!めちゃくちゃポップでいいじゃん。僕はサウナーじゃないけど、あちこちのサウナでBGMになってほしい。

イタリア代表 Lucio Corsi – Volevo Essere Un Duro

なんかパンクロッカーみたいな風貌の人が、ちょっとレトロな感じのバラードを歌っている。曲名のVolevo Essere Un Duroというのは私はタフガイになりたかったという意味で、Wikipediaによれば子供の頃の自己イメージといじめに関する個人的および社会的な期待を反映した曲だそうだ。歌詞までは調べてないけど、それでこの風貌なのか、曲も十分そんな雰囲気がするよと思った。この弦楽のアレンジがすごく懐かしい感じで、日本人に馴染むと思う。

ポルトガル代表 NAPA – Deslocado

いつもユーロビジョンで期待している色物ソングと全然違う、しっとりした曲なんだけど、僕が好きな日本のちょっと暗めのシティーポップに雰囲気がとても似ていて、ああこれは好きな奴だと思った。メンバーがポルトガル領のマデイラ島の出身で、たぶん今は本土のリスボンで活動していて、「故郷から遠く離れた海にいるという、避難しているという感覚を表現したいと常に思っていました」ということから、東京ソングのきれいだけどどこか寂しいみたいなところと共通するのかなと思ったりした。これが避難民や移民の間でヒットしているというのだから、東京の哀愁と同じだと言ったら叱られるか。

ウクライナ代表 Ziferblat – Bird of Pray

これまたすごいレトロな雰囲気の曲がやってきた。コスチュームがABBAとか光GENJIの時代じゃないかと思ったら、まさに1970年代の雰囲気を意識してるらしい。曲だけ聴いていればなんかレトロだけどカッコイイ曲だなって感じなんだけど、私の小鳥よ、生きて故郷へ帰っておいでという、歌詞を見てしまうと、時代が生んだメッセージソングなのだと気付かされてしまう。

サンマリノ代表 Gabry Ponte – Tutta L’Italia

こうやってシンプルに歌って踊れる曲が一番いいよねという曲。曲名も「イタリア全土」という意味で、え、サンマリノってどこにあるのって真面目二調べたら国境全土をイタリアに囲まれた内陸国家らしい。すごいなサンマリノ。世界で5番目に小さな国家。1700年間戦争をせずに独立国を維持し続けている。国連には加盟してるけどEUには加盟してない。勉強になりました。

フィンランド代表 Erika Vikman – ICH KOMME

またディーヴァ系かと思ったらなんか様子が違う。肉感的なおねーちゃんがパワフルに歌ってる。イッコーメッイッコーメて、やっぱり最近はサビがわかりやすい曲に人気がでるのは世界共通なのか。後半はもうアゲアゲパワーポップ。夜のエクスタシー、トランスを歌っているそうで、なるほど昨今の女性のエンパワーメントの歌なのかと。とても世相的だけど肯定的でハッピーでいいと思う。パフォーマンスの最後でデカいマイクスタンドに乗ってるんだけど、これ男根の象徴ってことなのだね。

マルタ代表 Miriana Conte – SERVING

また偶然にも同じテーマの曲。僕はイッコーメの方が好きだったけど、こちらの曲はもっと過激に女性性を見せつけるという意味のスラングServing cuntをもじっていて、僕らは何歌ってるかわからないから見ていられるけど、現地の方々はお茶の間では見てられない曲なんだろうな。

イギリス代表 Remember Monday – What The Hell Just Happened?

ミュージカルみたいな曲、もしくはQueenのBicycle Raceみたいだなと思った。夜遊びの後の混乱を描いているというのも、ステレオタイプな欧米の青春ドラマの一幕みたいで楽しい。

ルクセンブルグ代表 Laura Thorn – La Poupée Monte Le Son 

これもユーロビジョンではあまり見ないタイプのような気がする。最近世界でまた流行っているというTommy february6みたいな可愛さ。フランス・ギャルのPoupée de cire, poupée de sonのオマージュということらしいのだが、誰もが聴いたことがあるであろうフランス・ギャルのこの曲、1965年に彼女がルクセンブルグ代表としてユーロビジョンで優勝した時の曲なんだって。巡り合わせが凄い。

ラトビア代表 Tautumeitas – Bur Man Laimi

森の精霊たちによる自然への讃歌。たぶん。ゲームミュージックでは聴くけどさ、こんなの絶対JPOPシーンじゃ出てこないよね。ファンタジー過ぎるし、これが国民にウケてるっていう国民性も凄い。

オーストリア代表 JJ – Wasted Love

そして今年の優勝はオーストリアのJJ。色んな個性的なアーティストが出てきたが、王道のお化け歌唱力の勝利だ。ずっと圧倒的ソプラノ。僕はあまり興味あるタイプじゃないけどうんうん凄いですよハイって思ってたら曲の最後にもうひと演出あった。圧巻ですよ。

ということで、過去に無いぐらい印象に残る曲が多いユーロビジョン2025だった。世界は素敵な音楽で溢れている。

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