この記事を読んで、すごく女子に肩入れしているところが気になったので、男性と数字を比較しながら読み直してみた。
今や単身女性の3分の1は手取り125万円以下という。
冒頭からどこへ行けば1次資料をあたればいいのかわからない。単身男性の場合はどうなんだろう。ていうか、記事全体は若い単身女性の話をしているようだけど、単身女性っていうと全年齢が含まれるんじゃないだろうか。
厚生労働省の国民生活基礎調査(’10年)のデータを基に国民1人当たりの可処分所得を高い順に並べ、真ん中となる人の所得額(中央値)の半分に満たない人を『貧困状態』と定義しました。その結果、可処分所得が125万円未満の人が貧困状態に当たり、20~64歳の単身女性の32%、実に3人に1人が相対的に貧困であることが明らかになったのです。また、単身の20~64歳の男性の貧困率は25%であり、女性のほうがより苦境に立たされていることが分かりました。
この分析がされていると思われる『2月8日、国立社会保障・人口問題研究所が弾き出したデータ』が当の研究所WEBサイトで閲覧できない。おそらくこの研究に関する報告で、学会かどこかで発表されたのだろう。とはいえ、ここでは男性との比較がなされているので、相対的に単身女性の方が貧困率が高いということはわかる。単身男性の4人に1人が貧困というのもけっこうな話だと思うけど。
また調査対象とした年齢も明示されていて、報告はあくまで全年齢の単身世帯を対象としたものだということが想像できる。記事では若い女性の事例ばかり登場するけど、これは報告の主旨がちょっと歪んで伝わってしまう気がする。
現在、女性の非正規雇用率は54%で、働く女性の2人に1人が正社員ではないという状態です。
こちらに男女で非正規雇用率を比較したページがあった。男性の非正規雇用率は20.1%で女性の半分以下だ。ただし、15~24歳や65歳以上では男女の非正規雇用率は同等で、25~64歳の間で男女格差が大きいことがわかる。
ということで、『あなたの隣にもいる貧困女子』というものの、貧困男子だって隣にいる可能性は十分に高く、報告は全年齢単身世帯を対象にしたものなので、『女子』の状況として語ってしまうのはミスリードっぽいことがわかりました。言いたいことはわかるけどね。
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