内容は特に目新しさを感じなかったけど、文中で「主業農家」という用語を初めて見た。敢えて専業農家と書かないところに用語の意味があるんだろうと思って調べてみると、主業農家とは『農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得)で,65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家をいう。』(引用元)そうだ。つまり従来の専業・兼業という区分でいえば、主業農家は兼業農家となりうる。
こうした予備知識を入れてもう一度最初の記事を読むとややうさんくさい。「主業農家」の対語として「兼業農家」を用いるのは不自然だ。ここからは勝手な憶測だけれど、インタビュイーの山下氏はきっと主業農家の対語には副業的農家という用語を選んでいたんだけど、そこは兼業農家とした方がわかりやすいだろうと記者が勝手に用語を置き換えてしまったんじゃないだろうか。山下氏の本来の主張は「副業的農家」が日本を滅ぼすということで、農家の兼業には反対していないのではないか。
結果として出来た記事は、日本が滅ぶ前に兼業農家が滅べというニュアンスを含んだ見出しとなっているが、行き過ぎた兼業農家の排斥は逆に日本の農業を滅ぼすことになりかねないのでは、と感じた。
ところでこの「主業農家」「副業的農家」という用語、引用元の解説によれば1995年の農業センサスから使われるようになったという。実に14年も前、つまり自分が小学校の頃から既に「専業農家」「兼業農家」という用語は農家の実態に合わないために消えていたのだ。実態に合わなくなってもう14年も経つのに、未だに専業・兼業の構図を頭に描いていた自分に愕然とした。あまりに農業の実態に対して無知であり、いかにステレオタイプな見方しかできていなかったことか。
コメント
2月27日号の週間ポストの「就農族」の記事が面白いよ。
http://www.weeklypost.com/090227jp/index.html
画像右下のコピー。
高橋がなりや、千葉のデリバリー野菜とか、有名どころ抑えているけど、実態をこうやって教えてくれてるのは興味深いと、君も感じると思う。
何年も前から、国立ファームの「農家の台所」に行きたいと思っているんだけど、行けずにいてそのうち忘れてしまう。
週刊ポスト!読む機会が無ぇ!
農業関連の記事はちょくちょく読んではいるんだけど、新たなビジネスとか取り組みとか、どれも現在の話じゃん。今回は農業の実態を理解するための基礎教養が全然足りてないなと実感した。
農家の台所面白そう、というか美味しそう。恵比寿にもお店はあるのね、誰か誘って行ってみようかなあ。