分譲マンション向きの土地を見つけたら、とりあえず収支を概算するんだけど、その時の考え方をまとめてみる。
土地価格と分譲価格の関係
基本となる公式は(土地の一種単価+建築単価)×1.4=分譲単価。
建築単価はだいたい坪70万くらいなので、例えば坪60万で容積率200%の土地だと、
(30万+70万)×1.4=坪140万が分譲価格になる。
逆にそのエリアでの分譲単価の相場がわかっているときは、逆算して土地単価を求められる。
建築単価を坪70万として基本の公式を展開すると、
一種単価×1.4+坪70万×1.4=分譲単価
(分譲単価-坪100万)×0.7=一種単価
例えばそのエリアの分譲単価が坪200万くらいだと、
(坪200万-坪100万)×0.7=一種70万が土地単価となるので、一種70万より売値が低ければお買い得だし、入札案件だったら一種70万までなら突っ込んでも儲かるかなと考えることができる。
分譲単価って?
分譲単価は「専有面積1坪あたり分譲価格」のことで、
例えば新築マンションの広告で「価格:2500万~3500万 専有面積:70m2~90m2」と書いてあったら、
2500万÷70÷0.3025=118万 3500万÷90÷0.3025=128万 間をとって坪123が分譲単価になる。
マンションの規模
その土地で何戸くらい供給できるのかというのも重要で、
敷地面積×容積率÷25坪=供給戸数で概算する。
例えば400坪・200%の土地なら400×200%÷25坪=32戸だ。
実際には日影とかで容積を消化できないこともあるし、色んな間取りを作るのでこんな単純ではない。とはいえ40~50戸くらい供給できないと大手デベはあまり手を出してこないし、逆に100戸を越える大規模マンションになると何社かで組んで販売するので、ざっくりとでも戸数感覚を掴むことは大事だ。
色んな価格の想定
これまでに整理した数字があれば、色んな価格の想定もできる。
例えば、400坪・200%・坪60万の土地で、建築単価は坪70万で、分譲単価は坪140万とすると、
仕入れる土地の価格=坪60万×400坪=2億4000万
発注する建築工事の価格=建築単価×25坪×供給戸数=5億6000万
想定される売上=分譲単価×25坪×供給戸数=140×25×32=11億2000万
マンション一室の分譲価格=分譲単価×25坪=140×25=3500万
デベロッパーは10億クラスかと考え、ゼネコンは5.6億の請負工事が受注できるかと考え、仲介屋は720万の仲介手数料が見込めると考える。使う数字は一緒だけど、業者によって視点が変わってくる。
コメント
不動産初心者の者です。
「×1.4」「×0.7」「-100万円」の意味は何でしょうか。
また、賃貸マンで言う、
レンタブル比に相当する部分については、かけないのでしょうか。
TTさんこんにちは。
「×1.4」「×0.7」は原価と分譲価格のおおざっぱな倍率です。
土地の値段+建物の値段が基本的な分譲マンションの原価で、これに販管費(広告宣伝費や本社経費)と利益を乗せて売ることになります。販管費と利益の合計はだいたい原価の40%くらいということで、原価「×1.4」=分譲単価です。
逆に、分譲単価から原価を想定するときは、上記を逆算したらいいので、分譲価格「×0.7(1/1.4)」=原価です。建築単価を坪70万だとした時、坪70万×1.4=坪100万なので、分譲価格から100万を引いて七掛けすれば、土地だけのおおざっぱな原価がわかります。
レンタブル比などは、こうしたおおざっぱな概算の次の段階で検討することです。容積率を消化できるほうが利益効率の良い建物が建てられますが、容積を消化できるかどうかの判断は道路斜線などの知識が必要になってきます。