会社に帰ってきてからの課題のひとつだった毎月の支払業務を、ようやくAccessでシステム化できた。これまでも10年前くらいに誰かに作ってもらったAccessを使って業務を行ってきていたのだが、作りっぱなしでメンテナンスをしないまま運用していたので、もはや要らないシステムのせいで余計な手間がかかったり、自動化したい作業をシステムに組み込めなかったりで、業務効率はもとよりストレスフルなルーチンワークになっていた。
そもそも、支払業務の何がそんなに面倒なのか。これは建設業特有の事情もあるので、Accessでシステム化したことを図解で説明してみる。
まず、下請業者からの請求書が工事ごとに経理へ届く。工事してもらった現場が3か所あれば3枚。それを工事担当者へ振り分けて、「査定」をしてもらう。「査定」では、例えば誘導員を10日派遣したと請求書に記載されてるのに実際8日しか来てなかったので2日分は減額にする、というようなことをする。基本的には出来高と合っているかチェックする作業だ。共通の産廃パレット処分費や駐車場利用料を利用度に応じて相殺するというようなこともあるけど、書きながら思ったけどこれってやりすぎると下請法にひっかかるんじゃないか、あまり文字にすべきではないな。
ともかく、そうして工事担当者の査定が終わった請求書を、再び経理で業者ごとにまとめ直す。ただ合計するだけなら簡単だけど、残念ながら同じ業者でも工事ごとに支払条件が違う。そのため、工事ごとに査定額を現金支払分とでんさい(手形)支払分に分けて、それを合計しなきゃいけない。そうしてせっかく合計しても、でんさい支払分が10万円に満たなければ全額現金支払にする。まあ額面数万円の手形なんて、振り出す側も受け取る側も手数料とられるわ、支払延ばしたところで大した影響ないわでいいことないしね。
さて、そうして現金とでんさいに支払を分けられたら、今度は支払総額に対する相殺費用の計算がある。ひとつは安全衛生協力会費というもので、元請と協力業者で組成する「安全衛生協力会」という組織の会費を、支払総額に一定比率をかけて相殺徴収する。もうひとつは振込手数料なのだけど、これが当社の振込口座に対して業者の振込口座が同行か、同支店か、また振込金額によって手数料が変わるからややこしい。振込手数料を相殺しない(おそらく力関係によるもの)業者もあるので、条件分岐させて条件に合った手数料を相殺する。
これでようやく支払額を整理できた。最後に支払額を集計した社内資料と、業者向けに支払額明細表を作成する。支払明細表は、どの工事の請求書がいくらに査定されてどのように支払われるのかを伝えておかないと、業者の経理が収集つかなくなって謎の未払残高が残ってしまい、後々モメることのないように作成するものだ。
以上、ここまでのルーチンをシステム化できたので、これで経理事務はぐっと楽になって、僕が他に抱えているルーチンを渡せるようになるはずだ。このシステムには、できあがった支払データを銀行の支払登録用フォーマットに変換するなどの拡張機能を増やしていく必要があるのだが、それはまた集中力のあるときにしよう。
それにしても、こういう支払ルーチンって建設会社ならどこでもありそうだし、メーカーでも似たよう流れで支払をしてるんだと思うんだが、汎用ソフトでここまでできるようなものは見つけられなかったんだよね。他の会社の人はどうやってシステム化してるんだろう。
コメント