(ご注意)
タイトル通り、虫を食べる話です。もちろん虫の写真も載っています。ぎえーって思う人はここまで。ただ、単なる悪食の話でもないよ。
・昆虫料理を楽しむ
そもそも何でこのブログを読むようになったのか、よく覚えていない。過去ログを辿ってみると、去年の6月ぐらいからRSSを登録して見るようになっていたように思う。どう見てもゲテモノなんだけど、でもブログタイトルの通り昆虫を美味しく食べようとしている雰囲気は伝わってきて、虫寿司とか虫おせちなんかは、ちょっと可愛いとか思ってしまった。だけどサクラケムシやイラガは無理!ってすぐ閉じちゃったけど。
で、このブログを書いてる内山さんが、月に一度くらいのペースでみんなで昆虫料理を食べようという「昆虫食のひるべ・よるべ」を企画している。蜂の子やイナゴくらいはこれからも食べることはありそうだけど、色んな虫を、しかもそれなりに安心できる状況で食べられることは今後そうそう無いだろう。そういうわけで、東京へ戻ってくるのを1日早めてこのイベントに参加してきたのだった。
今日のメニューは虫和スイーツ特集。虫煎餅に蟻の子寒天、カイコの蛹の白玉団子の三品。登場した虫はジャイアントミルワーム、スズメバチ、イナゴ、南米アリ(レーズンかと思った)、コオロギ、タガメ(ペースト状だったので殆どわからず)、ツムギアリ(木の上に巣を作るアリらしい)、カイコの蛹の8種。じゃあ、写真を載せます。
左上はスズメバチの成虫を干した物、右上はカイコの蛹をたぶん茹でて冷凍しといた物、下はジャイアントミルワーム。最初は生きてたけど素揚げしてこんな感じになった。寄って撮るとワームだなって思うけど、遠目にはアナゴの骨せんべいみたい。揚げた奴をつまみ食いしてみると、エビカニ系の旨みがあって、サクサクした殻の食感を楽しむものって感じだった。この揚げワームは全体的に好評で、これなら飲み屋で出せるということになった。
お店に着く前にサクラケムシとかが脳裏をよぎって、いややっぱりちょっと無理かもって思ったこともあったけど、なんとなく、わしゃわしゃ動いてるのは厳しいけど、食材になった状態で出てきたら普通に食べられるかもって気がしてきて、結局どれも抵抗なく食べれた。本当は巨大ゴキブリもメニューに並ぶはずだったらしいけど、揚げてあったらたぶん食べれた気がする。
料理は参加者全員で作って、僕もカイコ白玉を手伝った。上の写真の左がカイコ白玉、右が虫煎餅。下の写真が蟻の子寒天。作って食べてみて、虫を食べ慣れている人の話を聞いてみて、昆虫料理には2つの方向性があると感じた。ひとつは抵抗無く、美味しく昆虫を食べるための料理、もうひとつはまさに昆虫を食べていることを実感し、楽しむための料理だ。
今日の三品でいうと、カイコ白玉は白玉の量が多かったせいで「カイコっぽさ」はあまりわからず、良く言えば白玉に種なしブドウが入ってるような感覚で美味しく食べられるし、悪く言えば口の中で身が弾けるカイコらしい食感やカイコの身の味は意識して慎重に食べないといけなかった。
一方で蟻の子寒天はシロップや砂糖が大量に入っているから蟻の子の味はあまりよくわからないが、とにかく虫を食べてるんだということが視覚に強く訴えられて、昆虫を食べていることは強く実感できた。虫煎餅もたぶん味より食感を楽しむ虫が中心だったこともあって、まさにえびせんのようで美味しく、そのうえ虫の食感も楽しめた。
最初は虫を食べるのに抵抗があったはずなのに、気がつけば虫そのものの味や香り、食感の違いを確かめたいなんて探求心を持ち始めているところが自分でも笑える。まず虫への抵抗を無くすこと、そして更に昆虫食に興味を持てるようになるという点で、「ひるべ」に参加したのは正解だった。これがもし何処かの居酒屋の変わり種メニューでイナゴの串焼きを食べるような昆虫食デビューの仕方だったら、やっぱり昆虫食はゲテモノ食いだな、で終わっていたかもしれない。
試食をしながら内山さんに色々質問をしてみた。話題の中心は安全性についてで、基本的に加熱調理するものなのでよっぽどなところ(都会の雑踏とかゴルフ場のそばとか)で採集しない限りは大丈夫だろうという話だった。たしかに魚は生で食べると寄生虫のリスクがあるし、貝も生体濃縮された毒に当たることが多いのに比べると、実は昆虫の方が安全に食べられる食材なのかもしれない。他にも色々訊いたんだけど、帰ってきて内山さんのブログを読み返してみたら実は全部著書に書いてありそうなことだった。なんだ、こんなことならあの本買って帰るんだったな。余談だけど、内山さんはブログの写真で見るよりずっとダンディな人だった。よっぽど写真映りが悪いんだと思う。
そういうわけで、昆虫食に対してポジティブになれるであろうこのイベント、今後もいろいろ計画されてるみたいなので、物は試しに参加してみては。
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