「はたらきたい。の哲学と実学」に行ってきた。

 ほぼ日×日経BPオンライン×リクルートの3コラボによる、「はたらきたい。の哲学と実学」というトークイベントに行ってきました。出演者はほぼ日の糸井重里さんと日経BPの渋谷和弘さんとFeelWorksの前川孝雄さんと就職ジャーナルの川上直哉さんでした。会場にいた学生は全体の1-2割くらいで、男女比はわかんないけどあまり差は無さそうでした。以下、メモしたことのまとめ。必ずしも時系列には沿ってないです。

■シュウカツ調査に見る学生の意識について。
・最新の求人倍率は2.14倍。但し社員1000人以上の大企業だと0.77倍、それ以下の中小企業では4.24倍。
・就職で重視する事柄についてのアンケートでは給与や福利厚生を重視する傾向がここ数年顕著。
・数年前までは人気企業ランキングTOP100までにベンチャー企業も見受けられたが、最近は大企業ばかりになった。
・給与や待遇を重視する傾向とはいえめちゃめちゃ稼ぎたいわけではなく、そこそこの給与がずっと欲しいという感じらしい。

■人気企業ランキングについて。
・学生の人気企業ランキングなんてイメージでしかないし誰が得するんだろうと思う。まあ今回調査したおとなの人気企業ランキングも、結局イメージなんだけど。
・おとなの人気企業ランキングを見ると、今の会社にどんな不満を持っているかが見えてくる。成長性とか、人事の公平性とか…。

■起業をするという選択肢。
・起業したいと思う人も実際する人も、20年前から数はそう変わってない。
・ていうか20年前には起業なんて言葉が無かった。考えも無かった。
・起業ブームが始まったのは98年。ほぼ日が始まったのも実は98年。
・ラーメン屋開業するのだって起業なのに、データに表れない。そういうのを含めたら起業してる人ってもっとずっと多いと思う。

■節目の35歳。
・スキルアップしたいとかキャリアアップしたいとか思うのは35歳までの人に多い。
・35までは社長になる!とか意気ってたのに、35を過ぎると先人の偉大さに気付き始める。
・仲間と一緒になんかやっていこうって思うようになったのは35を過ぎてからかもしれない。
・1人エリートセールスマンがいたとしても5人の凡人セールスマンの方がずっと稼ぐし。

■はたらくのに大事なこと。
・自分にとってのベスト3ニュースを考えると、自分が大切にしてることがわかると思う。
・人事の人って最低でも自分が一緒に働きたい人を探してる。いい奴が欲しい。
・中途の場合は加えて何ができるか?ということも重要。(でも社内の問題を解決したくて中途の人材を頼るけど、そういう問題って人材を見つけたくらいじゃそう解決しない、会社の構造的な問題だったりする。)
・もうちょっと頑張ったらできるなんてこと、普通できない。出来たときはよっぽど頑張ったか、ごまかしたか。
・できることをちゃんとできることの方がよっぽど大事。
・努力しろとか夢を持てとかくだらねえ。

■女性と消費者と公私混同の時代。
・今の世は作ったものが消費されるのが難しい時代。
・女性は働きながらもすれ違う人のアイテムもしっかりチェックしてたりする。そうやって自然とどんなものがいいものかって感覚を磨けている。
・消費のプロがビジネスのプロになる時代。だから女性の時代なんだ。
・だから変に平等を意識して男みたいな女を増やしても、ビジネスは成功しないだろう。むしろ女みたいな男を増やせばいい。

 こうして振り返ると、就職のことから起業のことからビジネスのことまで3コラボならではの展開だった。話の中で「就職は受験と違って答えがない」という話になっていたけれど、これには反論したくて仕方なかった。受験制度自体は数値化されて合否の答えが出るけど、どの大学に入るかということに答えはないし、まして全入時代の大学選びなんて就活とそう変わらない。とりあえず僕はこれまでの見聞きしたことを踏まえて、面白そうな滑り止め大学探しを弟に勧めてみようと思う。

コメント

  1. みつる より:

    次に引用した点って公務員志望の学生を見ててもそうだなって思う。特に地方上級。
    ・給与や福利厚生を重視する傾向がここ数年顕著。
    ・そこそこの給与がずっと欲しい。
    なんか、楽したいから公務員っていうよりは、真面目に働きたい、ちゃんと仕事がしたいって思うから公務員を選んでるように感じる。特に女子は。
    結婚しても子供が産まれてもずっと働きたいし、給与に男女差別が現れにくいし、成果主義とかなくて真面目に働けば評価されるし、転勤しても県内だし、土日は休みだしって。
    結局のところ民間とか公務員の区別とかなしに、家族で囲む食卓とか、マイホームで一家団欒とか、そういう平均的で一般的な未来(もはや幻想だろうけど)、それが実現できそうな所に向かってるんだと思う。中流志向なんだろうな。
    まぁ、大手企業が中流?って気もするけどな。

  2. Nov より:

     身近な公務員志望者は造園職だったり土木職だったりして、「ちゃんと仕事したい」っていうときの「仕事」の内容が割と想像できるんだけど、どんな職種でも想像できるもんなのかしら。
     それはそれとして、安定していることをメリットに数えるような人は停滞的な考え方してるんだろうなと思ってたところがあったけど、むしろアクティブにいきたいから元手となるもの確保しておきたいっていう考え方もあるだなって言われて気付いた。安定性は考えの終着じゃなくて、前提なのか。

  3. みつる より:

    >どんな職種でも想像できるもんなのかしら、
    オレの周りも、林業職希望ばっかなんでわからん…。
    まぁ、公務員だろうが民間だろうが、仕事の内容なんてやってみなくちゃわかんない、って割り切ってるのかもね。
    あと安定性のことだけど、自由度とか選択の幅が広いとか、そんな風に捉えた方がいいかもしれん、って思ってる。それって「安定を求める」以上に望みが高い。

  4. ヒビコラ。 より:

    「おとなの人気企業ランキング」参考資料

    ・おとなの人気企業、NBO読者が選んだ1位はP&G
    ・どんな会社で「はたらきたい」か?
     ほぼ日×NBO連動企画、おとなの人気企業ランキングに関する連載がいよいよ始まった。先日書いた「はたらきたい。の哲学と実学に行ってきた」は微妙にページビューが多かったので、両記….

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