家は買うべきか借りるべきかという議論を定期的に見かける。この問題に対する答えは個人の環境によって異なるので、なかなか明快に説明するのが難しい。今回はそうした説明をする材料のひとつとして、買いたくても・借りたくてもそれが叶わない時期があるという話をしようと思う。
家が買えないとき
家を買いたくても買えないとき、それは住宅ローンが組めないときだ。ほとんどのひとはローンを組んで家を買うことになると思うが、よく住宅広告に書いてあるように、融資には条件がある。その条件によってローンが組めないケースとして分かりやすいのは次の2点だ。
- 今の会社での勤続年数が3年未満
- 持病がある
ローン審査のための資料として少なくとも過去2年分の源泉徴収票の提出を求められることが多いため、勤続期間がある程度長くないとローンが組めないし、また団体信用生命保険への加入が必須なため、持病持ちで保険審査が通らないと、やはりローンが組めない。そういうわけで、健康で長く勤めているうちに家を買ってしまおうというのも、ひとつの考え方だ。
家が借りられないとき
家を借りたくても借りられないとき、それは大家さんが認めてくれないときだ。よくあるのは次の3点。
- 定職がない。
- 高齢者。
- 身寄りがない。
定職が無ければ家賃を滞納されるかもしれないし、高齢者になると貸した部屋で死なれてしまうかもしれない。ましてや身寄りがなければその後の処理も大家さんがしなければいけない。賃貸ではたとえ定職に就いていたとしても独身で40代を越えると断られるケースが増えてくると聞くが、一度「事故物件」になってしまうと不動産投資としての収益性が全く採算に合わなくなってしまうので、大家さんが慎重になってしまうのも仕方ないと思う。そういうわけで、定職があって家族がいるうちは、賃貸で住み替えていこうという考え方は十分アリだ。
所得が少なく、結婚も遅い僕のような世代の人間にとっては、住まいに対する安心感を得るために、安い中古マンションをとりあえず購入して最悪の事態は回避するというのもひとつの手かなあと思ったりもする。 地元を離れてひとりで暮らすということは、こんなリスクも背負ってしまうんだなあ。
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